夏の暑い時期に爽快なのが水辺で、北海道の旅をした方は摩周湖、屈斜路湖、阿寒湖など景色も素晴らしい爽やかな湖めぐりをされた方も多いと思います。その水辺の話の前に水道の水も気持ちいい、ということをお伝えします。まず北海道は年間の平均気温が低いので(ここ清里町は6.6℃、東京は15.4℃という平均気温です)当然土の中の温度も低くもともと水が冷たいのに加えてその冷えた土の中を通ってくる水道の水もとても冷たいです。また土の中の温度は外の気温が伝わるのがとても遅いので一般的に一番温かくなるのが初冬、一番冷たくなるのが初夏といわれていて特に6月ごろは水道水もとても冷たく、暑い時に腕などにかけると、涼しいを通り越して冷えてしまうほどです。本州、四国九州などで、庭でビニールのプールで子供が遊んでいて親が水道の水をかけて子供がキャキャ言っている、なんてシーンをよく見ますがこちらで同じように子供に水道の水をかけたら喜ぶどころか冷たくてすぐにギャーと泣くでしょう。
本題の水辺の話で北海道では川の水も冷たいのですが先に話しましたとおり土の中が冷えているので水道水と同じく湧き水もとても冷たいです。そして湧き水は窪んだ地形のところや谷筋から出ていることが多いのでその周辺はこの湧き水に冷やされた冷気がたまりとても涼しく快適です。そしてここ清里町で一番有名な湧き水の場所が摩周湖の北側にある「神の子池」という周囲200㍍ほどの小さな湧き水の池です。神の子という名前は摩周湖のことをアイヌ語でカムイトー(神の湖)ということから神の湖の子供のようだということで神の子池と名付けたようです。この池は色がとても綺麗で神秘的な青、よくコバルトブルーという表現をされるのですがまさにそんな透き通るような青い色です。この神の子池は摩周湖の周辺の山に降った雪や雨が染みこみ地中から湧き出ているといわれている池で水自体は極めて澄んだ透明で水深も見た目だと1メートルぐらいかな、と思うのですが実際は5㍍ほどと見た目よりずっと深いです。そのため太陽の光のうち、青い光だけが水に吸収されずに底の白い火山灰に反射しているためとても綺麗なコバルトブルーに見える、といわれています。もちろんここも窪んだ谷なので風も涼しいですし、なんといっても池の色も涼しげです。
次に清里町の真ん中を流れる斜里川という川の中流域にさくらの滝という滝があります。ここは15メートルほどの川幅いっぱいからザーと2メートル半ほどの落差で落ちていて、しぶきが霧のようになって涼しい風が吹いています。ここの名前の由来は自生している桜があるのとサクラマスというサケの仲間がのぼってくるのでさくらの滝というのですが、このサクラマスとは渓流に住むヤマメという魚が1年ほどを川で過ごしその後海に下り一年間たっぷり栄養を摂ってから30センチから60センチほどまで大きくなったあと再び川に遡上してくる魚です。
そして6月から8月、海で育ったサクラマスが最適な産卵場所を求めてさくらの滝をジャンプして越えようとする姿を見ることができます。この滝はサクラマスにとっては最大の難所でここを無事越えられるのは1~2割といわれていて体力があり遡上できる水の筋を捉える運のいい者だけが登ることができるという滝です。
「何度も何度もジャンプしても登れない、頑張っているのに出世できない、まるでボクのようだ」と思わず苦笑してしまうような感想を言われる方もいたりして・・
このようにここ清里町の水辺ではとてもキレイな色を見ることができたり躍動する魚の姿などに感動したり、またバランスのとれたかっこいい形の斜里岳の風景とともに満喫することができますので是非清里町に来てみてください。