北海道の広さを感じる

2年間、ラジオ深夜便で北海道の生活や自然の特徴や面白さをお伝えさせていただきました。そして今回は最終回ということで少し以前のおさらいですが北海道の最大の魅力である「広さを感じる場所」というテーマでお伝えします。

まず最初に広さを感じる場所というか瞬間ですが飛行機で女満別空港や中標津空港などに降りるときの上空から見た大地の眺めでしょう。着陸前、窓から下を見ると「こんな広い畑の真ん中に降りるんだ!」「こんな牧場の真ん中に飛行場があるんだ!」と感激するはずです。そしてその大地に降り立ったときに、首都圏の満員電車で揺られているときと逆の物質が身体に沸き起こってくるのを感じると思います。

そして北海道の中でも私が特にオススメする「広い」ところですが、地図でいうと一番上、つまり一番北の稚内市の南に広がる原野や牧草地です。もし北の方に行かれたら日本海側にある通称「オロロンライン」という道々106号線を車やバイク、自転車で走ってみてください。ここはサロベツ原野の海岸沿いにある約30キロのとても長くて平らな直線道路で、まさに北海道!その横には日本海を挟んで利尻岳がそびえていてその景観も見事です。また近くの宗谷岬の南には宗谷丘陵という広大な丘があり、何十基もの風力発電の風車を抱えて広がっています。

次に、北海道の地図でいう一番北の右下でオホーツク海側の猿払村にある村道エサヌカ線という道路です。ここは広大な牧草地の真ん中を通る約10キロの真っ平、そして定規で引いたようにまっすぐな直線道路で周りが緑の牧草地だけ、というのが素晴らしくいつも道の先に蜃気楼の逃げ水が見えるほどで、ここに来ると同じ北海道でも「北に来たなぁ!」と感じます。

そして私の住んでいる北海道の東側半分の道東といわれる地域も特にスケールが大きいです。

その中でも中標津町郊外の丘の上にある開陽台という展望台は「地球が丸く見える」というフレーズのとおり、ここから下界に広がる大酪農地帯の風景は「広い!」を実感できるところです。また周辺は私が最初に北海道に来たときに「将来はこの広大な大地に住んでみたい!」と思った場所でもある「これぞ北海道!」の風景です。

また北海道の地図の真ん中、十勝と呼ばれる帯広市周辺の郊外に広がる風景もまた広大でここも「これぞ北海道!」で、小麦やじゃがいも、てん菜(砂糖大根、ビート)、豆などの畑や牧草地帯がはるか向こうまで続いている風景が見られます。そんな風景の中で車を停めて地元の美味しいものとか、またはコンビニでも北海道にしかない変わったパンやおにぎりなどを食べるのもいいでしょう。(こちらでは赤飯やパン、でんぷん団子という郷土料理にも甘納豆を入れる文化があるので甘納豆の入ったパンやおにぎりなんていうものも売っています)

そして北海道では山でも特に大きさを感じることができます。特に北海道の屋根と言われる大雪山のスケールがは特別です。ここは幾つもの峰々をあわせて大雪山というのですが上部に広がる登山道は背の高い木の育たない森林限界の上にあるためとても見晴らしがきき山全体を見渡せる広大さは比類のないものです。またアイヌ語で大雪山のことを「カムイミンタラ、神々の遊ぶ庭」ともいうのですがまさに神様が遊ぶ場所だなと実感するでしょう。

このように北海道では車やバイク、自転車、あるいはバスや汽車で走り続けるだけでも大きさは感じ取れますし歩くとさらに奥深い広大さを味わえます。(ちなみに汽車という言い方ですが、こちらでは電気で走る電車は走っていなくてディーゼルエンジンで走る車両が主体なので汽車といいます。私の子供がこちらの高校を出て東京の大学に進学して友達に「汽車通学」と言ったら「お前のところは蒸気機関車が走っているの!?」と笑われたそうですが汽車とは蒸気機関車のことだけではなくてディーゼルエンジンの車両のこともいいます。たまに観光用のSLも走っていますが)

私はこれからも北海道の素晴らしさや北海道にちょっとの間だけでも住んでみたいという方に対しての情報発信などをしていきたいと思います。

今後とも北海道をよろしくお願いいたします。

2017年 3月13日