ストレスを発散できる北海道

 実家のあるさいたまと東京に行ってきて帰りの女満別空港に着くとホント「ほっとする」または「落ち着くなぁ~」と最近感じるようになりました。でもなんで「ほっとする」のだろう?

 まず都会と田舎あるいは東京とここ北海道清里町ではなにが違うのだろう?と、よくよく周りを見渡してみると東京にはせわしなく動く車や電車、信号機の音や大勢の人の雑踏、ネオンや広告など目と耳から勝手に入ってくる余計な情報の量が膨大にあるのに対し清里町ではその余計な情報がほとんど無いのだ、ということがわかりました。つまり静かなのです。

 そしてその余計な情報が勝手に入ってくると意識しないのに頭と気持ちを使わされて段々と疲れとストレスになっている、ということを感じました。もちろんどこに住んでいても仕事や人間関係のストレスは同じようにあるのですが、「勝手に目や耳から入ってくるストレスの元になるものがここにはないから落ち着くんだ!」ということだったのです。

 ちなみに我が家の周りで目に入る動くものといえば風にそよぐ樹々や雲の流れや雪、畑を横切るキタキツネ、晩秋はよく白鳥が鳴きながら北の国から渡ってくる姿などで目に入る光といえば夜、遠くに見える斜里町の明かりや沖合で創業するイカ釣り船の漁火、眩しさを感じるぐらい明るい満月の月明かりぐらいで自然のもので目や耳に優しい人間の五感で心地よく感じ取れるものがほとんどです。また月がなく晴れた日の夜は天の川や流れ星、人工衛星まで見ることができて目と心にとても優しいのです。

 このように静かで広大で余計な情報が入ってこない北海道の地方では都会の雑踏からくるようなストレスはもちろんたまりません。

 若いときのストレス解消法はワクワクすることが一番であり楽しみだったと思いますが年を重ねてくると「知恵の悲しみ」というかいろいろなことを経験した分、ワクワク感が少なくなってくる気がしませんか?「そんなことない、私はいつもワクワクしているよ!」という方はたぶんとても若々しい方だと思います。そんな「最近ワクワク感がないなぁ・・」と感じたとき「考えること」ではなく感性を働かせて「感じること」つまり素晴らしい景色を見たり広い場所に行ったりハイキングをしたり自転車をこいだり車やバイクを走らせて寒い暑いを感じたり無心に物を作ったりがストレス解消と精神の安定にとてもいいのだなということがわかってきました。

 人間は近年、社会に情報があふれるようになったため考える事ばかりで五感をつかって感じることが少なくなっているのだと思います。そして「感じること」から創造力は生まれます。そのため昔のように情報の少なかった時代だからこそ必然的に感じること、感性を働かせる時間が多くなり芸術や音楽、文学などでも素晴らしい作品が生まれてきたのでしょう。よく時代劇などで月をじっと眺めて詩を読んでいるというシーンがありますが「そうだよな、ラジオもテレビもパソコンもスマホもない時代は一つのものを見てどれだけ多くのものを感じ取れるかがいい作品を作れるか、だったのだろうな」と思いました。

 私には二十歳のときの初北海道ツーリングで知り合ったマンガを描く友人がいて彼はバイクで千葉から北海道へ来て旅先でよく描いているのですが彼は「家だと全然描けないんだ」と言っていました。これも旅先で感性が増幅しているので描けるのだと思います。

 このように特に北海道の地方では見ているだけ、そこにいるだけでもストレスを発散してくれる広大な原野や畑や牧草地、湿原、山、湖、原生林といった場所が多くあります。また飛行機で女満別空港や中標津空港などに着陸するときは「こんな畑のど真ん中に降りるんだ!」「ここって同じ日本なの?」と感激するはずです。そんな広さを感じ取れる北海道へ感性を呼び覚ましストレスを減らすために是非お越しください。

2016年 11月