北海道広さの味わい方・道北

 私は北海道に移住してもう16年住んでいますが今でも「ホントに北海道って広大だなぁ~」と感動ばかりしています。そこでまだ北海道を走り回ったことのない方に是非この広大さを味わってほしい、ということで私もよく行くオススメの旅のプランをお伝えします。

 まず今回は北海道の上半分、小樽、札幌から北のてっぺんの稚内、それから東の端の知床までをお伝えします。

 地図のある方は見ていただいて近くに無い方は菱型のそろばんのコマのような形が北海道だと思ってください。かなり大雑把ですがこの菱型の一つの辺がおよそ350キロぐらいでその距離は東京から名古屋あるいは東京から仙台ぐらいの距離です。

 広大さはまずひたすら道を走る、ということで味わえます。でも人間の足で走るのは広すぎるので車、バイク、あるいは自転車などがおすすめです。(歩いて一周する人もいますが・)中でも特に「道を走る」ということを楽しんでいるのがオートバイツーリングのライダーなので、ライダーになったつもりで読んでください。

 余談ですが、バイクには私もよく乗るのですが、なぜ楽しいかを考えてみると操作やスピード感はもちろん雨に降られたり寒かったり暑かったりと、つらいことも多いので快適な晴天がより嬉しくなる、よりいい想い出になるのだとおもいます。つらい登りを登って頂きを踏むという山登りにもちょっと似ている気がします。

 まずは本州からだとフェリーで小樽や苫小牧に上陸し(飛行機の方は千歳空港まで来てレンタカー)愛車にまたがって海沿いを時計周りに一路日本最北端、宗谷岬を目指します。かなり大雑把ですが先ほど申しました菱型の左端から上の頂点に向かいます。約350キロありますが早朝出発して昼には着くぐらいと意外と早くつきます。これは道がまっすぐばかりで信号も少なく高速道路のように緊張するほど車の流れが速くもなく適度に速いという感じて一般道を通ってもそれほど疲れずに長い距離を走ることができます。

 最初に感動するほど素晴らしいのはその350キロのうちの300キロ走ったぐらいのところにある北海道のてっぺんである稚内の手前、日本海沿いのオロロンラインという直線道路。この原野の中の直線はどこまで続くの?という長さと広大さの中に風力発電の風車が立ち並び、日本海を挟んで尖った利尻岳がそびえ立つ様は「来たぞ~北海道!」と叫びたくなる風景です。また宗谷岬の山側にある宗谷丘陵に行ってみるとここは凍って解けてを繰り返して出来た、という穏やかな凹凸の不思議な地形で広大な牧草地。「いやぁ~広い丘だなぁ~」と感じると思います。

 そしてオホーツク海へ周り今度は菱型のてっぺんから右端に向かいます。北海道の中でも圧倒的な平らさを誇るエサヌカという直線、ここのまっ平らでひたすら真っ直ぐな道路は逃げ水という現象で道路の先が無くなっているように見えます。車を停めて「すごいなぁ~ここ」という感想が出るでしょう。 

 そしてオホーツク海沿いをひたすら南下し知床峠を走ります。ここまでやはり約350キロ。知床は有名なとおり原始の自然の風景が素晴らしくエゾシカやキタキツネ、ヒグマなどが普通に道端にいたりしてビックリするところ。知床峠からは海を挟んで国後島が大きく見えて「これが問題の北方領土か・・」と思うでしょう。

 このようにぐるっと菱型の左端から右上の頂点を通り右端まで回るルートが決まったらあとは美味しい食べ物を行く先々で味わってください。海産物はもちろん特級品で、ウニ、カニ、イクラ、ホタテ、ホッキ貝、カキ、ホッケの開きや鮮度が命のさんま、カレイ、ソイなども美味しく、レベルが高い北海道の回転寿司などで味わえます。また道の駅などではホタテフライバーガーやホッケフライバーガーなど気軽に味わえるものもあります。そしてこういった情報はオートバイの人たちが持っている個人旅行の情報満載の地図「ツーリングマップル」や「北海道のここが好きで宿をやっています」という宿のオーナーさんたちに聞くのがオススメです。

 このように北海道へ最初に来たならまずは走り回って食べ回ってください。そして次からは奥深い自然の遊びを体験してみたり、ちょっといい季節だけ住んでみるという方法もありますので人生を楽しむために是非北海道を利用してほしいとおもいます。

2015年 9月