バーベキューと聞くと内地(北海道からみて本州、四国、九州のこと)の人は開放感のあるキャンプ場や河原を思い浮かべるとおもう。ところが北海道では一般に「焼肉」と言い庭先や近くの公園でやるのが習慣だ。それもそのはず、何も出かけなくても充分に広い庭、いいロケーションがあるのだ。ただたまに家の前の渋滞している道路端でやっている人がいて恥かしくないのかな、と思ったり、おいしそうだな~と感じたりする。まあこれもディズニーランドの歩道の真ん中にシートをひろげて弁当にがぶりついている親子に比べりゃ上品なものだ。それにこの焼肉の味付けが凄い!もちろんタレで食べることもあるが、焼きながら塩コショーを真っ白になるぐらい振りかけるのである。しかしこれも食べつけると美味いと感じてくるから人間の舌なんていいかげんなものだ。それに北海道人は食に対する健康とか安全性などはほとんど考えていないと思われる。茨城で放射能漏れ事故があったとき関東ではしばらくはその近郊の野菜が売れなくなったが、こちらではいきなりその地域の野菜がどのスーパーにも流入し、野菜売り場が茨城市場になったようであった。当然気にする人は見受けられず、安いといって喜んで買っていた・・・・・
北海道はラーメンが旨い!と言う人が多いがごく一部を除き、ほとんどの店の味がかなりしょっぱい。ラジオで盛んに宣伝しているチェーン店でさえそうなのだからこれがこちらの標準なのだろう。雑誌に載っている店もいいが、その辺のフツーのラーメン屋でも味わうことをお勧めする。笑っちゃいたくなるほどマズかったり食べられないほど濃い味で、いい?想い出になることも多いですよ。でもコンビニは北海道主体のセイコーマートがお勧め。ここで売っている赤飯おにぎりはがぶついてみて固まってしまった・・でっかい甘納豆が入っているのだ。他でもらったものもそうだからこれも文化なのだ。ここではおなじく豆の入った「豆パン」、限定の「ガラナ」という昔のドクターペッパーのような清涼飲料、ソフトカツゲンというヨーグルト?ドリンクなど普段目のしないものがあったり、生野菜や店で作った弁当などがあったりしてボクはファンです。
ちなみに節分では大豆ではなく落花生を撒く。これは拾えば食べられる、という実用本位なところがいかにも北海道らしい。
でも素材などは旨いものがさすがに多いよー。素材は一流、調理は?流・・・
反対にこちらの人があまり好きでないものはサケ、イクラ、じゃがいもなど。人間は本来無い物ねだり、なのか・・
ウチの井戸にはホトホト困った。家は標高100メートル、井戸は60メートルまで掘ったのだが水質は農地に過剰に撒かれた堆肥などの窒素肥料で汚染され、おまけに不安定な地層のためか前触れも無く大量の砂が出たり濁ったりした。また大雨や雪解けのときに砂が出ることが多いようでどこかの沢水が差し込んでいるのではないかとも思われた。床下の砂こしフィルター、お湯のボイラー、4箇所のトイレ、すべての水道の蛇口、これらすべてが詰まりひどいときには一日に何度も分解掃除せねばならなかった。疲れてしまった。
なんとかせねば・・方法は2つ。ひとつは再び井戸を深く掘ること。素晴らしき北海道人は責任を感じ、材料費だけでやってくれるという。しかしそれだけでも数十万円。さらにもし掘りなおしたとしても汚染されていない充分な水量の濁らない水が出る保証はないのだ。残る手はひとつ、2年前に断られた水道組合の水道使用を再びお願いし、許可をもらうことだ。ちょうどウチの隣に移住希望者のYさんが家を建てて住みたいという話があったが飲み水が良くないところには住めないので組合の水を使わせてもらえるなら移住してくる、ということになった。ボクは我が家の現状とYさんの希望を再び文にしYさんと2人で組合長のところへお願いしに行った。(家のすぐ前にその水道管は通っているのだ)
結果的にはOKが出て、力が抜けるほど嬉しかった。しかしその後、何人かの忠告により自分の行動、言動のまずさ、失敗を知らされた。まず最初のお願いのとき「お金がないから井戸を掘れない、だから組合の水を使わせてくれ」という言い方をしたこと(これは本音だか聞くほうは「だったら来るなよ」と思う人も出る)、そして最近のお願いのとき「もう後が無い、生活出来ない、後ろから手を回してでもどうしても使いたい。でもそんなことをするとますますひんしゅくをかうから皆さんにどうしてもOKを出してもらいたい」、これも聞く方にとっては脅しに近く「だったらやってみろよ!」という人が出てくるのは当然だ。このことはボクの大きな反省点。地元に溶け込み、楽しくやっていこうと思う移住者は昔の嫁と同じ、地方に嫁ぐのだ。最初は口数が多くてはいけないし、戦ってもいけないし無愛想もいけない。そもそも無愛想は自分も回りも楽しくない。また酒を飲んだりすると都会では考えられないほどひどい言い方をしたり(そんな言い方していたらそのうち誰かに刺されるぞって言いたいほど!)、プライベートなことに土足で入ってくるような人もわずかだがいるのも事実。このようなときは毅然とした態度も必要だと思う。でも違った住み方もある。観光地のペンション街や不動産屋の移住者向け物件などを見ると参考になる。皆移住者が固まっていて、地元とのつながりが薄い。きっとあえて面倒な付き合いはしたくないだろうし、地元の多くの人とは考え方がかなり違うので話が合わないのもわかる。それはそれで同じような人が何人かいれば良いのだろうとも思う。一人難しい顔をして回りと距離をおくのは簡単だし、ある意味楽かもしれない。逆に移住者の方もそういう人間や変人も多い。そもそも移住者なんて言葉の出てくる前、ボクらは「流れ者」だったのだから。しかしどんなに意見が違っても地元とつながっていたほうが生活は絶対に面白い。ボクが昔放浪していたとき、原始の山の中で一週間人間と会わなかったことがある。そのときは自然には感動はしても楽しくはなかった。やはり社会を作っている人間はつながりが大切なのだと感じたのであった。