一般的には立ち入り禁止の知床ウトロのチャシコツ岩(通称カメ岩)。今日は雪の中だったけど以前から行きたかったので参加しました。案内役は知床博物館の学芸員。学者ともいえるこの方々はさすがめちゃ詳しい!まずはいきなりロープの張られた急斜面の登りで皆さん洗礼。普段急な山に登っていない方はかなり怖くてつらかったはず。今は道路を通すために山をV字に切ったためにここを登るしかありません。
火山灰や珪藻土などから構成されるこの岩場はオロンコ岩とは違い、大規模な地滑りによってできたとのこと。岩というより大地といったほうがいいのかも。そして岩とは違い柔らかい地質なので掘りやすかったらしく上部は一つの集落ともいえる規模の竪穴式住居の跡であるくぼみが数十カ所も残っていました。アイヌ文化の前の700年以上前の海洋民族オホーツク人のものとのことですが、北海道は土壌侵食や堆積が遅いので形が長く残るようです。
ウトロの街並みを見下ろすこんな高くて風の強い岬の先の狭い部分になぜ集落を作ったのか・他の部族との抗争に備えるためとか所説あるようですが謎も多いそうです。海で獲れたものや飲み水を運ぶのも大変だし、逆に風を利用していたのかな?風が強いウチのようなところはブヨとか虫が少ないとか、ヒグマや狼から身を守るためとか・・?戦国時代の城のようなところに住むということはやはり敵から身を守るためでしょうか・・
NHKも取材に来ていました。
崖のすぐ近くにはヒグマの冬眠穴がありました。こんなところで寝ているのですね。そしていつも北海道は素晴らしい!と思うのはこんな柵もない落ちたら終わりの崖の上でも入れてくれたり、場所により普通に歩けるところがあること。これが首都圏だったら危険だとか落ちたらだれが責任を・・とか言って絶対に人を入れないでしょう。ある意味危険なことは自分で感じて対処する、北海道流ともいうべき(欧米では普通なんだけどね・・)この感覚は多くの人に是非身に着けてほしいと思いました。