水抜き

初冬、北海道のような寒冷地で忘れてはならないのが水抜きという作業。水抜き栓というレバーを下げ水道管に残った水を流すのが基本ですが、それにプラスしてウチの別棟のように春まで使わないところの蛇口などの水栓器具やボイラーの水を抜かねばなりません。毎年慎重にやってきた水抜きだけど、この春にはまだ新しいシャワーブースのカランが見事に凍結し膨張、破損。氷の融けと同時に水が噴き出して部屋が水浸しになったのです。あれってもしかしたら水抜きの出来ない寒冷地用じゃないカランだったのかも・・余計な出費3万円でした‥(涙)

ここも失敗から学んだ温水暖房便座。15年ぐらい前にここの水を抜くのを知らなくて何日か留守にして帰宅。暖房を付けたらトイレが水浸しに・・便座が割れたのです・・余計な出費3万円・・(涙)

こうして高い授業料を払って覚えていった水抜き。最後は床下に潜って水道管の水も抜きます。基本的な考えは地上に出ている器具や管の水はすべて抜き、抜けない便器の水や流しや洗面台などのトラップ(水を溜めて下水の匂いが上がってこないようにする仕掛け)には凍結防止剤を流し込む、というのが一連の作業です。それか電気代や燃料代はかかるけど最弱の暖房をかけておくか便座などは暖房を付けっぱなしにしておくか。(それでも知り合いの別荘では最弱の暖房でも月5万円の電気代がかかっています・・)でも最低気温がまだ氷点下20℃ぐらいだからいいけどシベリアなどの氷点下50℃以下になると軽油が凍ったりプラスチックやゴムなども少しの力で割れたりして生活は要注意みたい。極寒冷地の動画、面白いので見てみてください。

信越トレイルを歩く

この10月に開通したロングトレイルである北海道東トレイルの策定に関わった縁で、日本のロングトレイルの草分けである信越トレイルの一部を歩いてきました。信越トレイルは長野と新潟の県境の山の稜線と集落の古道を主なコースとしている108キロの道。まずは飯山市を目指しました。10年ぶりぐらいに乗った新幹線は「すげぇ~速ぇぇ~」!

2か所の宿に泊まりましたが、どちらもカメムシにはホント困っているようですがこうやって前もって知らせてくれ対処法も教えてくれると助かります。

今回の歩行区間は結東集落から小赤沢集落までの9.7キロ。ガイドしていただいたのは信越トレイルクラブのベテランガイドさん。自然から歴史までなんでも博識。前日に積雪があり8割がたは雪の上の歩行。最初から積雪のつり橋はちょっとビビりました。

昔、子供らが通学したであろう古道を登っていくと見事なブナの森がずっと続いています。この木が無いオホーツクの自分たちにとってはとても新鮮!枝の雪解け水が幹を伝って自分の根本に流れていく様は樹木も効率的な水分摂取を考えているんだと感じ取れます。

雪の上に落葉したカエデ。こんな道を主に歩いていきます。

新潟県津南町と長野県栄村の秘境を秋山郷というのだけど、ここは断崖絶壁の柱状節理に囲まれた深~い谷の奥深くで、あちこちのわずかな平地に数件の集落が点在するホントに凄い秘境!ここまで生活が大変そうな地に最初に移住してきた人は好きで住んだわけじゃないな、隠棲生活のために来たのだな、と直感。調べるとやはり平家の落人や戦国時代の落ち武者たちの伝説はあるようです。

今は住んでいない家も多数だけど崩れゆく建物は一見すると少なく、元住民や今の持ち主の方は大事に管理しているのが伝わってきます。

集落の道路、落ちたら終わりの断崖絶壁の山道と古道、舗装路と素晴らしく多彩なトレイル。

3~4mの積雪というだけあってブナや杉も根本が曲がっているものも多数ありました。森を見上げながら歩いている時間が多かったかな。

雪の上に落ちた紅葉があちこちにあり素晴らしくキレイで感動。

昼はこの時期無人の集落のバーベキューの東屋を使わせていただきお弁当。

谷の向こうの山々を眺めながらの歩き。

獣道のような急斜面の稜線をビビりながら数百メートル登っていくと集落跡が。今は家の痕跡もありません。江戸時代の飢饉で消滅してしまったとか・・自給自足の生活では数十年単位でやってきた天候不順や天変地異に伴う山の幸と作物の凶作は生命の維持に直結していたことを実感。今は科学と技術で食べていけているけど、自然か人為的か、いつか乗り越えられない脅威が来ることは心に留めておかねばならないな・・と考えてしまいました。こんなこともトレイルが伝えてくれることですね。

今回のゴールは小赤沢の苗場山神社。100名山苗場山の登山道の起点になっている集落。普通の登山とは全く違う充実感。素晴らしいコースでした。ガイドさんとともに移動日の初日と最終日はトレイルクラブの方々に維持管理のことなど詳細に教えていただき心から感謝です。これは北海道東トレイルもがんばらねば!

元小学校を改装した宿泊施設は清潔感も温泉の風呂も食事も立地も凄い。朝は絶壁とブナの森の山肌がモルゲンロートで輝いていました。

若い人たちが地元の物で考え抜いて作った食事の一部。食材も料理もちゃんと説明してくれるし接客もとても良く感動しました。次も泊まろう。

今回は積雪で行けなかったけど、この稜線上もトレイルのルート。いつか歩くぞ!

帰路の新幹線、275キロの最高速度でも逆さの空のペットボトルが倒れない日本の技術のは凄い!!これは世界一だと思います!

 

残業

北海道の晩秋は3時のおやつだよ~なんて言っているうちに暗くなってきます。今日は曇りということもあって16時半なのにすでに真っ暗。エゾシカの鳴き声が暗闇に響き渡っていますがまだ夕食まで時間があるな~ということで大工仕事。明るい投光器をセットして手元を照らしながら怪我をしないようにスライド丸鋸をつかって切ったりインパクトドライバーでネジ留めしたり。気温は0℃近いけど風が無ければそこそこの防寒で肉体労働はちょうどいいぐらい。午前中に作業を進めておくのが北国の今の季節の働き方でしょう。

女将の食旅

恒例の女将様希望の海産物食い倒れ日帰り旅へ。いつものように好物の厚岸のカキへ・・と急きょ、途中の中標津郊外におすすめの牧場カフェがあるということで立ち寄りました。その名もCafe Beco。窓からの風景はまさに北海道の牧場。

重みのあるソフトとしっかりしたプリン。氷がなかなか解けない2重のガラスコップと食器も店内も落ち着きのあるセンスのいいもの。

ロケーションもさすが東北海道。旅人に人気出そう。

カヌーや釣りでよく行った別寒辺牛(ベカンベウシ)湿原。水鳥観察館2階からの眺めはやはり素晴らしい!

今回の厚岸でカキを食べるぞ~は馬場商店の「海鮮焼ゆっけ」という食堂で。道の駅は最近ちょっと高いなぁ・・と感じていたけどこちらはその約3分の2ぐらいの値段で良心的。地元の方がラーメンなどを食べにくる入りやすい雰囲気もいい感じで生ガキに焼きガキを堪能。(ちなみに帰路、中標津のスーパーで買ったサロマ湖のむきガキは5個で98円と爆安!厚岸の10分の1ぐらいの値段。もちろん美味だったけどこの価格差はなぜ??)

そして頼んだあさり汁が巨大!!普通の倍はあるんじゃないかという豪快さ。おすすめ!

最後は道の駅のおやき。おやじギャグが寒いけど甘さ控えめで、あんにオイスターソースが入っていてなかなか美味しかった。今回の旅はホント食べただけ・・次回はカキも一回休みにして次はホタテかカニかキンキか・・何にしようかな・・

パラダイス!

また行ってしまった僕らにとってのパラダイス。国後島を眺めつつロッドを振るとこの季節は美味しいコマイが釣れるのです。

「なんで俺は小物ばっかりなんだ~!」と言っていたM名人。サケ釣りのときの余ったエサのイカやカツオの切り身よりエビが一番釣れました。

やたら重い!なんとか抜きあげるとホッケ・?よく見るとアブラコだ!ホッケとアブラコは両方ともアイナメの近種だから似ているのです。

よくロフテッド軌道を描くS嬢のキャスティング。足元の防波堤や岩場近くに落ちるのでカレイやカジカなど釣れる魚が違う!

今日も3人で40匹ほど釣れました。修行のように疲れた体にムチ打ってきれいに捌き真空パックに。カレイは塩焼きにしてすぐに食べたけどやはり2日ぐらい冷蔵庫で寝かしたほうがより美味しくなるなと思いました。大きめのコマイは汁物、」小さめのものは干物にして朝食用にすることが多いけどまた違う料理法も考え、冬のお客さんに出す予定です。

四寒三温

昨晩は今シーズン初の本格的な雪が降り5センチぐらい積もりました。斜里岳も麓から真っ白。

車のワイパーも冬用に交換。雪払い用のブラシを出し、外の水道も凍結で壊れないように水道管や蛇口の水を落とし冬支度。でも11月は15℃ぐらいになるときもあり道路も平地では朝晩の冷え込んだ時以外は凍結もせずに普通に走れます。そろそろ冬鳥であるオオワシも来るころ。これからは宿や庭、樹木のメンテナンスに掃除、改装、薪割り、ホームページの見直し、観光関係の仕事とたまった仕事を焦らず片づけていく日々。そして食材調達のために海にも行かなくては。鮭トバ用のサケがあと何匹が欲しいな・・

フライ&エサ釣りウィーク2024秋

この秋も神奈川Y氏とドライフライでトラウトを釣るために道北の名も知らぬ小さなダムへ。ここはこの時期いつも天候が不順で雨と曇りと風とミゾレが交互にやってきますがライズはポツポツとあり、これぞ止水のドライフライフィッシング、という楽しさを堪能できます。

ここはウグイ君は生息しておらずライズを狙い撃ちすると40センチぐらいまでのニジマスがフライを吸い込みます。

型は小さいけどたまにくるアメマス。

滝上町のホテル渓谷。ここは食事も接客も良く、卓球もできてコスパ的にもおすすめ。

渚滑川本流は苦戦・・濁りと増水で川通しに遡行もできずに厳しい洗礼。濁りの無い支流へ。

魚影は少ないながらもY氏が大物をヒット!しかしネットイン寸前にバラシ・・そしてゆったりと逃げていくニジマスにまさか来ないよね、と思いつつボクがフライを鼻先に落とすと反射食い!

2人でゲットした今回一の弾丸レインボー。型は50cmほどだけど素晴らしい引きでした。

そして海へ。ここの釣り突堤はホント素晴らしい!5分ぐらい歩くとトイレはあるし柵があるからまず落ちないし無料だしコマイは釣れるし・釣り禁止の場所ばかりになる中、こんな遊び場が斜里や網走など北海道にも増えてほしいと切に思います。

2人でコマイ約40匹、ソイとカレイが一匹ずつ。針も餌も大きかったので30cm級が主体です。ムニエルに白子の味噌汁で堪能!タラの仲間だけに美味しい魚です。なんか骨とか体の構造がアメリカナマズと似ている・・

雨のち曇りのこの日は川湯ビジターセンターでアカエゾマツの原生林を見ながらゆったりとマス焼きを食べて湖へ。

紅葉も終盤。紅のカエデだけが葉を残しています。

10年ぐらい前からこの時期、フライで釣れるのはウグイ君ばかりになってしまったのでザリガニ釣り!Y氏は落ちている枝に糸をつけて狙っています。しかし今年はザリガニも少ないのかなぁ・・?ゆでて食べるほどは釣れなかった・・

何十年もあちこちで散々ルアーフライをやってきたボクらは近年、原点回帰というべきエサ釣りの楽しさを再発見。特にのべ竿での浮き釣りが面白いけどさすがに広~い湖ではルアーロッドで浮きを飛ばします。

エゾウグイ君は”最初は”力強い引き。ウグイ君とともに30cmぐらいになるとかなり楽しめます。

エサはデカいドバミミズ。現地調達をするのがまた楽しくオッサン2人がガキに戻っています。

原生林のに囲まれた最高の環境。後ろの森ではクマゲラ、ヤマゲラ、アカゲラが鳴いたり木を叩いたりエゾシカが叫んだりしています。

お湯を沸かし倒木に腰かけて昼食。

のべ竿に玉ウキ付けてすぐ近くのウグイを釣っていると飛ぶわ跳ねるわ突っ走るわでしばらく糸鳴り音を響かせたあと、ニジマスだと思ってようやく上げたのは銀ピカのサクラマス!こんな近くを回遊してきたとは!

今回はエサ釣りの楽しさを再発見。ルアーフライオンリーの人たちには白い目で見られるかもしれないけど(昨年までそっちの立場だった)釣りの幅が広がり魚に対する理解も深まりました。今後もまたフライ、ルアーそしてエサ釣りも楽しみたいと思います。