ペットの野生の境界

野生の呼び声 ジャック ロンドン

100年以上前に書かれたこの小説だが、以前、斜里川の上流で野犬となったハスキーを含む犬たちが顔を血で真っ赤に染め、エゾシカを食べている場面に遭遇・・狼の群れそのもののようだった・・威嚇されて肝を冷やしたことを想い出した。あのときこん棒を持っていたとしても勝てたとは思わないが、元飼い犬といえど野生の本能が備わっているということを認識させられた。ウチで飼っていたムギという犬が、キツネを見つけてダッシュしていったとき、あるいは近所の川に遡上してきたサケを追い回したときにも少しは野生を感じたが・・

豚でも野生化すると体毛が生えイノシシのように先祖返りするというが、余計な情報から離れて自然の中でしばらく過ごすと人間も五感が研ぎ澄まされていくのがわかる。感性を取り戻したい自分もそんな時間を今年も多く持てたらと思った一冊だ。